5月20日、日本小児科学会から「小児の新型コロナウイルス感染症COVID-19に関する医学的知見の現状」が発表されました。

これまでに世界各国から報告された小児(0~18歳)のCOVID-19の報告例(2020年5月18日現在)から医学的知見をまとめられたものです。

テレビなどのニュースでは日々新たな感染者数などが報道されていますが、その内訳や詳細はあまり伝えられていないように思います。

子育て真っ最中のお父様・お母様方は日々新型コロナウイルスを心配されているかと思いますが、この小児科学会からの発表は少し安心できる内容かもしれませんので、一部抜粋してみます。

 

詳細は「日本小児科学会ホームページ」を参照してみてください。

 

日本では5月3日時点で10歳未満の患者総数は246人(全体の中の1.6%)、10~19歳では352人(2.3%)と少なく、中国では19歳未満の患者は全体の2.4%、アメリカでは18歳未満の患者は全体の1.7%、韓国では10歳未満が全体の1.0%、10~19歳では5.2%と報告されているようです。

COVID‐19患者の中で小児が占める割合は少なく、そのほとんどは家族内感染であり、現時点では学校や保育所におけるクラスターはないか、あるとしても極めて稀と考えられる、とのことです。

これまで多くの学校が休校であったことを考えると、今後学校が再開されたらどうなるか?ということは気になりますが、オーストラリアでは15の学校で18人の患者(9人は生徒、9人は学校職員)が863人(生徒735人、職員128人)と濃厚接触があったにもかかわらず、感染が確認されたのは生徒2人だけだった、という報告があります。

ヨーロッパでも9歳の患者が3つの学校やスキー学校で症状があるまま112人と接触したにもかかわらず、誰にもうつしていなかった事例があるようです。

日本でこれから学校が再開されることになるでしょうが、これらの報告は少し希望を与えてくれる気がします。

COVID‐19はインフルエンザとは異なり、学校や集団保育の現場でクラスターを起こして拡がっていく可能性は低いと推定される、とのことです。さらに、今回の発表では、学校や保育施設の閉鎖は流行阻止効果に乏しい、とも述べられています。

これが本当なら、たとえ第2波が襲ってきたとしても、再び学校を休校にする必要はないのかもしれません・・・。

 

小児では成人と比べて軽症で、死亡例もほとんどない、乳児では発熱のみのこともある、ほとんどの小児COVID-19症例は経過観察または対症療法で十分、とのことです。

小児COVID‐19の症状は、発熱、乾性咳嗽(乾いた咳)、全身倦怠感、嘔吐、下痢などで、発症後1~2週間以内に改善することが多いそうです。

中国、シンガポールからの報告では0~9歳444例の中で集中治療を要した症例は1歳児の1例のみで死亡例はなかった、とのことです。

アメリカの報告でも18歳未満では成人と比べて入院例が少なく(それぞれ5.7%と20%)、ICU(集中治療室)入室の割合も低かった(それぞれ0.58%と2.0%)とのことです。

欧米からは、川崎病を疑わせるような症候群が小児COVID‐19に関連して発症するという報告があり注目されていますが、現時点で日本国内でCOVID‐19流行に伴って川崎病の発症が増えたり、川崎病症例で新型コロナウイルスが検出されたりした報告はない、とのことです。

もちろんまだまだ油断はできませんが、小児に関する限り、COVID‐19は極めて恐ろしい感染症だ、とまでは言えないのかもしれません。(あくまで小児に限定して、です)

 

小児COVID‐19患者10例で、鼻咽頭からウイルスが検出されなくなった後も8例では長期にわたってウイルスが検出されており、便中のウイルス量の方が多い傾向があった、便中のウイルスに感染性があるかどうかはまだ証明されていないが糞口感染にも注意が必要だ、検査検体として便も有用かもしれない、とのことです。

小児では嘔吐や下痢といったお腹の症状もみられるようですし、感染性腸炎という形で発症するケースもあるのかもしれません。

 

教育・保育・療育・医療福祉施設等の閉鎖が子どもの心身を脅かしている。

学校閉鎖は、単に子どもたちの教育の機会を奪うだけでなく、屋外活動や社会的交流が減少することとも相まって、子どもを抑うつ傾向に陥らせている。

療育施設は否応なしに密な環境でのケアが求められるが、世界的にも療育施設が閉鎖され、行き場がなくなった医療的ケア児への対応が必要である。

親子とも自宅に引きこもるようになって、ストレスが高まることから家庭内暴力やこども虐待のリスクが増すことが危惧されている。

 ・・・と指摘されています。

 

こと子どもに関する限り、COVID‐19が直接もたらす影響よりもCOVID‐19関連健康被害の方が遥かに大きくなることが予想される、とのことです。

私も全くの同感です。第2波、第3波が来たとしても、子どもたちはなるべく自由に過ごせることを願うばかりです。